妙高山東稜〜三春峠〜大路城址へ
兵庫 丹波市


 丹波市春日町の大路地区は春日町の東に位置し、栗柄峠を越えると篠山市へと通じている。
北は妙高山、南は三尾山・鋸山に挟まれた東西に長い地区である。ここに大路城址というピーク
があることを知ったのは、慶佐次盛一著の「兵庫丹波の山」である。前々から登りたいと思ってい
たのだが、どういうコースをとればいいかと思案中だった。地図を見ていると、下三井庄を起点に
周回できそうである。ちょっとロングになるかもしれないが、コースの半分は歩いたことのあるとこ
ろなので、後半だけが未知のコース。冷え込んだ朝、大路へ向かう。
妙高山を望みながら歩く 深尾須磨子の生誕地

 大路小学校の駐車場に車を停めさせてもらい、北の神池寺への道を歩く。この辺りは、詩人深
尾須磨子の生誕地。「須磨子の里」という小さな公園が道沿いに作られている。須磨子の詩にち
なみ「ごんろくの里」という看板も立てられている。妙高山に抱かれたのどかな里である。進行方
向に妙高山がひときわ大きい。
 下三井庄は北に二つの谷があり、その西側の風呂吹川に沿って北へ歩く。ちょうど出会った男
性に道を尋ねると、神池寺の先代の住職さん(中学校の先生)は、雪の日はこの道を歩いて通わ
れていたとか。
宝篋印塔 途中の菩薩像

 集落の最奥には家が2軒あるが、どちらも人の気配がない。1軒は住んでおられるかもしれな
いよ、と父たぬき。舗装はここまでで、家が途切れると未舗装の林道となる。

 しばらく歩くと林道は二つに分かれている。なんと、そこには三体の石塔が見える。足早に近
づいてみると、中央は宝篋印塔、右はお地蔵様、左は三界萬霊○と刻まれた石塔。説明板に
よると、宝篋印塔は享保八年(1723年)に三井庄の早形三右衛門久行と刻まれているという。
平成3年の発掘調査の際には、塔下からおよそ一立方メートルの経石が出土し、一石一字の
法華経が書かれていたという。
 
 分岐から右の道を歩いていると、軽トラが上がってくる。猟をされるようだが、鉄砲を持ってい
るのは別の人たちのようで、おじさん二人が先にやってきたらしい。今日のコースを地図で説明
すると、大路城址のことはご存じないようだが、この山域のことは熟知されているようで、注意す
る分岐などを親切に教えてくださった。池まで来ると、先ほどの軽トラが一人を下ろして戻ってい
く。池のそばにはお地蔵様があったので、早速見に行ってみたが、池を造った当時のものであ
るらしい。

 池から少し歩くと、林道は二手に分かれ、右側の道を登っていく。ほどなく林道の終点になり、
山道となる。昔はよく歩かれた道だが、山から流れてきた石などでちょっと歩きにくい。しかし、
上に行くにしたがって歩きやすくなり、付近は雑木が多くなってくる。

 「このあたりになんとなく石仏があるような気がするなあ。」と父たぬきがつぶやいている。と、
目の前にきれいな石仏が現れる。観世音菩薩と刻まれているようだが、はっきりとはわからな
い。礎石には、たくさんの名前が見える。享保四年とあるので、麓にあった宝篋印塔よりも古い
ことになる。神池寺へお参りする人たちはここで一休みしていったのかもしれないね。
神池寺への道

 石仏からは雑木に囲まれたいい道が続く。太陽の光がまぶしい。タカノツメもほとんど落葉し
山は冬の装い。
三尾山・夏栗山・黒頭峰を眺める

 途中の展望の開けたところからは南に三尾山と夏栗、黒頭峰。すっきりと晴れ上がりいいお
天気だ(^^)
右 三井庄 笹山 左 ほそみ そのべ 肩切地蔵尊跡

 空が近くなったなあ、と思ったら妙高山から三春峠への稜線に到着。ここは春日・市島境で
もある。峠の道標石仏が倒れているので早速父たぬきが起こして元通りにする。去年五月
来た時にはここに肩切地蔵尊跡の石碑があったはずなんやけど、と探すと一段上にあった。
あの時と同じように壊れた祠の残骸が放置されている。
お地蔵さんから4方向へ 稜線から五台山・鷹取山
 ここから三春峠までは一度歩いているので、迷いポイントも大丈夫(^^)。石仏が「ほそみ」
と指示した方向へと歩いて行く。この道は神池寺への参道であるとともに、三井庄から細
見(現在の福知山市三和町)への道でもあったのだ。よく踏まれた道が続いている。ピーク
を巻いているので、あまり高低差がないのもうれしい。
 振り返ると、西に五台山、鷹取山が端正な姿を見せている。その奥には粟鹿峰が霞んで
いる。
雑木林

 尾根は植林が多く薄暗いところもあるが、P510付近はこのあたりで唯一、雑木でいい雰
囲気である。やまあそさんと行者山からここへ歩いた時もここでお昼ごはんにしたほど。今
は冬を待つ木々が風に揺れるだけの静かな空間だ。足もとには落ち葉のじゅうたん。
大谷 コラ谷坂

 P501から植林の中を歩いて行くと、大谷(470.0m 点名田野谷 三等三角点)である。
ここに来るのは4度目。初めてきたのは行者山から歩いた時、2度目は落雷の中を下った夏
三度目は野上野から三春峠への途中で。いつ来ても静かなピークである。峠から続いていた
道はここまでで、大谷から三和町側へ道が下りている。お茶だけ飲んで先を急ぐ。
 左手に鹿倉山の大きな影が見えるようになるとコラ谷坂が近い。コラ谷坂には、太い赤テー
プに道標が印されている。

三春峠から南西方向を眺める

 コラ谷坂から三春峠へは近い。踏み跡に沿って歩いて行くと峠直前のピークへは登らず、
谷の方へ向かっている。そのまま歩くと、三春峠の少し三和町寄りに飛び出た。三春峠には
10:40到着。朝出会った軽トラの男性が「三春峠は昼過ぎくらいになるなあ。」と言われて
が・・・。

 峠から春日町方面を眺める。鋸山から三尾山、譲葉山、向山連山の分水嶺が東西に長く
続いている。
籔を抜けると歩きやすくなる 要注意の分岐

 峠から尾根に取りつく道があるようだが、三和町側に林道があるのでそれを歩いてみる。
すぐに行き止まりになり、そこからP490へ登っていく。P490は低い灌木で頂上付近だけ
刈り取られている。南に三嶽、西ヶ嶽が近い。さて、ここからしばらくは藪の中。なた目は入
っているものの、イバラや雑木、倒木をくぐったり跨いだり。この後もこんなんやったら、困難
やなあ、などと言いながら歩いて行くと、春日町側が植林になると籔もなくなりとても歩きや
すくなる。コンクリートの標柱に「上」の文字。上三井庄の山を示すものだ。

 P490から府県境を30分ほど歩くと大路城址方面と鹿倉山方面への分岐である。ここに
も赤テープがあり、南は「障子越、野瀬峠、栢野峠」と東へは「鹿倉山」とある。ここで府県界
尾根とわかれ、南へ歩く。この尾根も集落境(上三井庄と野瀬)なので、切り開かれている。
雑木と松の混成林で、妙高山付近の植林尾根よりもいい雰囲気。案じていた籔もなく、ひと
安心だ。
門のような木をくぐる 集落境の切り開き

 P449を下り、野瀬への破線道があるところまでくると、ここにも赤テープ。三宝ダムの方へ
「障子越」と書いてある。ここが野瀬峠か?

 登り返したCa370は南西へ。南東にも道があるので要注意だ。このあたりは松茸山なのか
白いPPロープが張り巡らされている。お腹もすいてきたので、370ピークからちょっと下った
ところでお昼ごはんにする。
「誰もこないなあ。」
ヤマガラの声だけが響くのどかな丹波の低山。朝はあんなにすっきりと晴れ上がっていたの
に雲が多くなってきた。天気予報は下り坂。風がないので寒くはないが、それでもじっとして
いると冷えてくる。体が冷え切ってしまわないうちに出発しよう。

 いったん下って登り返した次のピークから、尾根が3方に分かれている。ここも方向要注意。
南と南西に踏み跡があるのでそれにつられそうになるが、ここは北西方向へ下っていく。やは
りこういうところにはテープが付いている。右下に三宝ダムの湖面が木の間から見え隠れし、
北へおりればすぐにダムである。
大路城址(点名 下三井) 三の谷へ下る

 下った鞍部には「渋谷」という低い看板が立ち、三宝方面への道が下っている。天気次第で
はここから三宝ダムへ下りることも考えていたがまだ大丈夫そうだ。

 登り返して小さなピークを3つ越える。この辺りは栢野と上三井庄境で、栢と上の標柱が尾
根に続いている。
 尾根の途中というようなところに大路城址の三角点(385.3m 三等三角点 点名下三庄)
はあった。城跡というわりには曲輪跡などそれらしきものは見当たらない。その先のピークか
もしれない、といったん下って次のピークへも行ってみる。しかしここもそれらしき遺構はない。

 大路城址との鞍部に戻り、破線のある谷へ下りていく。三の谷と呼ばれる谷で掘れた道が
残っているものの、枯れた木が倒れたり枝が落ちて歩けない。その縁を歩いたり、植林の中
の歩きやすいところをぬっておりたりしながら下っていく。
降龍寺跡? 曇ってきました(正面に妙高山)

 下りた所には、廃屋がある。あとで調べると、お寺の跡だという。少し下った所にはお寺の
入口でよく見る石柱が1本だけ立っていたので、ここがお寺への入り口だったかも?

 空は雲に覆われ、雨がぽつぽつと落ち始める。小学校へ戻ると本降りになった。今回もい
いタイミングで山歩きを終えることができたね。
 
行った日 07 12/15(土)
行った人 たぬき二人
山行タイム 大路小学校8:05〜宝篋印塔8:30〜肩切地蔵尊跡9:15−9:20
〜大谷10:20〜三春峠10:40〜分岐11:20〜昼食11:40−12:25
〜大路城址13:15〜降龍寺?跡14:00〜大路小学校14:35
2.5万図 市島 宮田   山行地図

たぬきほーむへ  山歩きへ