大江山連山(赤石ヶ岳 千丈ヶ嶽)
京都府福知山市
 5月の末に大江山一斉登山という催しが行われ、そのときに北稜コースが3年ぶりに復活と
新聞が報じていた。
「北稜コース?」
このあたりにくわしいFさんに尋ねると、地図付きのメールでお返事をいただいた。北稜とは、
福知山市の北にある天座のあたりである。176号線を北に走っていると「北稜コミュニティセ
ンター」という建物が目に入る。その周辺を北稜というのだろう。

 天座から灰谷林道に入る。舗装林道を上がっていくと東屋があり、先日の一斉登山はここ
から出発されたようである。まだ林道は続いているのでさらに進むと、舗装が切れるところに
広場があり、RW車1台が停まっている。同じ所に置き、準備をして歩き始める。
林道から赤石ヶ岳への分岐 赤石ヶ岳を眺める

 未舗装の林道を歩きながら、今日のコースを地図で確認する。Fさんが地図に書いておられた
林道から与謝峠への道はなかったので、稜線を峠まで歩いてみることにする。林道から「赤石ヶ
岳 双峰」の標識に従って少し歩くと、笹原の道に出る。正面に赤石ヶ岳。笹の中にはツツジの
オレンジ色が彩りを添える。
「赤石まで行ってみよ!」
目の前に赤石ヶ岳を見て予定変更。
 いさんで赤石ヶ岳へ笹の道を歩いていく。しかし露に濡れた笹で膝から下はたちまちずぶぬれ。
笹の丈は進むほどに高くなり、とうとう私の背丈ほどになってきた。あとでこちらにくればよかった、
と後悔しても後の祭り。こうなったら進むしかない。(^^; 何とか与謝峠に下りる。周りは笹で覆
われ、峠らしい雰囲気はない。昔あったであろう道も笹の中に消えている。

赤い岩のむこうに天ヶ峰(左) 三岳山(右)

 いよいよ赤石への登りである。はじめは笹の道であるが、徐々に岩の多い道となる。赤い岩が
多く、これが山名の由来となったのではないだろうか。登るほどに岩が多く、薄い踏み跡を登っ
ていく。しかし、展望はよく、背後に千丈ヶ嶽、南に天ヶ峰、三岳山などを見ながらゆっくり登って
いく。遠くの山々はまだ雲がかかっている。

 頂上直下の急登は岩と笹などで足下が見にくいので注意して歩く。背丈より高い笹の道はそ
のうち藪にかえっていくのでは、と思われるほどである。大江山連山にありながら、登山者の少
ない山のようである。
赤石ヶ岳山頂

 傾斜が緩み、低い灌木から笹に変わると山頂である。山頂には三等三角点と少し離れた所に
東屋。
「これは何かな?」
山頂から東へ2本の軌道が登ってきている。下の公園から荷物でも上げるためのものなのか、
と思ったが、これはケーブルカーのようなもので、人を上げるものだそうだ。

 南側の天座や三岳山を眺めながら、おやつタイム。この「天座」という集落名は天ヶ峰に登っ
たときから気になっていたところだ。天座、天津、天田など、天のついた地名がこの地方には多
いのも気になる。

 山頂に着いたころからガスが出始め、三岳山頂も隠れてしまった。あらら、天気はよくなるは
ずなのに・・・。
 無線で隠岐から帰ってこられているMXFさんをコールするとうまく繋がる。しばらくお話しして
来た道を下る。
赤石ヶ岳山頂から南西から南方向を眺める

 下りる頃にはガスははれ、五台山や千ヶ峰も確認できるようになってきた。もういちど景色を
写し下山する。
赤石ヶ岳からの下りで東方面を眺める

 登りに歩きにくかったところは下りも同じように注意が必要である。今度は正面に千丈ヶ嶽を
見ながら下りていく。鳩ヶ峰も頭を出している。千丈ヶ嶽の右奥に見える尖った山、あれが日室
ヶ嶽か、なかなかいい眺めである。与謝峠の方へ下りてくる人がいる。私が苦労した笹の道を
下る4人連れ。与謝峠まで下りると、下りてこられるところだったので待たずに双峰公園側へ。
古い木の階段が残っているが笹の道に帰りつつある。登山道に出ると、赤石ヶ岳1.8km、千
丈ヶ嶽2.7kmの看板が笹の中に埋もれている。ここから赤石に登るよりも千丈ヶ嶽へ歩く人
の方が多いように思う。

林道に出ると・・・ エゴノキ
 木の階段を登り、朝歩いた道を少し戻ると林道に出る。
 
 林道に出たところに、軽ワゴン車が停まり、男性が何かを組み立てている。ラジコンの飛行機
である。同じ市内の方で、ここへはよく来られるそうだ。車の中には飛行機グッズばかりで、こう
いう趣味の人もあるのだなあ、と感心したり驚いたり・・・。

 林道沿いにはエゴノキやタニウツギが満開。甘い香りを放っている。
林道沿いの石垣 千丈ヶ嶽へ

 林道を歩いていると石垣が残っている。はて、この石垣は何の跡だろう?どなたかご存じの
方があったら教えていただきたい。

 林道を10分ほど歩くと広場があり、ここにも車が停められそうである。熊注意の看板と大江
山の登山地図。しかし地図はあせてしまって何が書いてあるのか全くわからない。大江山観
光開発協議会の標識には、「千丈ヶ嶽1.5km 鬼嶽稲荷神社1.6km」とある。熊は東屋や
駐車場など、お弁当の残りなどを捨てるとそこにやってくるそうだ。この山域には2頭はいるそ
うで、そのうちの1頭には発信器が取り付けられ、どこにいるのか判っているという。

 林道を少し歩くと、千丈ヶ嶽への標識があり、広い道が付けられている。たぶん重機で付け
たのだろう。昨年千丈ヶ嶽の北側の道での工事で使われた機械を作ったような道である。

 ゆっくりと高度を上げていく道はとても歩きやすい。無線機から千ヶ峰移動局のCQが聞こえ
る。応答するとJCLさんが先にピックアップされている。JCLさんはお家のようで、千ヶ峰の局
しか聞こえてこない。交信が終わるのを待ってコールし、山頂までお話ししながら歩く。その間
に、鬼嶽稲荷からの道と合流していた。
 
千丈ヶ嶽山頂

 山頂について無線をしていると、先着のグループの方からリンゴをいただく。

 山頂には腕章を付けた団体がおられ、これから下山にかかろうかというところだった。無線機
から聞き慣れた声が聞こえるので、ブレイクを入れる。千町が峰のOAPさんと三田の自宅にお
られるTQFさんである。
 
 
山頂から西方面を眺める

 団体は西○労山の方たちで、南の方へ下りて行かれた。先ほど歩いてきた赤石ヶ岳を見な
がら空いたベンチで食事にする。氷ノ山は雲に覆われているが、妙見山から三川山へ続く山
並みや丹波の山々は赤石ヶ岳よりもよく見えるようになってきた。

 食事を終え、無線機の周波数を回していると、IXWさんとMXFさんの声。再びブレイクを入れ
て話をする。IXWさんは駒の尾へドウダンツツジを見に行っているらしい。あちらも人が多いそ
うだ。

 山頂に着いてから1時間近く経った。北からまた団体が来られたのと入れ替わりに下山する。
エゾハルゼミのぬけがら

 下山は途中まで同じ道を歩き、鬼嶽稲荷への分岐から稲荷方面へ歩いてみる。この道はず
いぶん久しぶりである。何年ぶりだろうか。こんな道だったか、と思いながら歩いていると、男
性が木を見上げている。長いポールを持っておられたので、昆虫を捜しておられるのかと、そ
ーっと声をかける。
「蝶ですか?」(私)
「いえ、蝉です。」(男性)
チョウチョはよく見かけるが蝉を捜しておられるのは初めてである。今捜しておられるのは、エ
ゾハルゼミ。京都府では、大江山とあと1ヶ所だけに棲息しているそうだ。
「ぬけ殻はありましたが、今日はないていません。」と言いながら、ザックの中からぬけ殻を見
せてくださった。エゾハルゼミはちょっと高い山でないと棲息していない。昨年扇ノ山で聴いた
蝉ではないだろうか、と思って尋ねると、扇ノ山にはいるそうだ。親切にも小型のテープレコー
ダを取りだし、声を聞かせてくださった。棲息状況を調査しておられるそうだが、少しずつその
数が減っているという。

登山道から林道への道 林道沿いの雑木林

 男性と別れ、歩き始めるぽつぽつと雨が頬に当たる。傘をさしてゆっくり歩く。登山道が大き
く曲がっているところにベンチが置いてある。ベンチから少し歩いたところに山腹を西へ延びる
道が見える。ちょうど山頂へ1000mの標識があるところである。
「ここ、ここ、この道。」
Fさんからの地図にあった道である。途中には祠があるというので、注意して歩いて行ったが
見つけることができなかった。
 2分ほどで、林道の終点に出る。あまりにあっけなく出てきたので、おかしいなぁ、と思ってい
たのだが、地図に載っている林道はさらに東へ延びているようである。

 谷まで来ると、新しい林道が上にも上がっている。林道は細い尾根を巻いているので、結構
長い。北から西へ方向を変えるあたり、谷を見上げるとミズナラやクヌギでいい雰囲気だ。植林
される前、大江山一帯はこのような山だったのだろう。
朝と同じところで・・・ 青面金剛

 千丈ヶ嶽への分岐までくると、あとは朝と同じ林道を戻るだけ。赤石ヶ岳への分岐
には、朝とはちがう車が2台。やはりラジコン飛行機を組み立てておられる。
「ここは笹なので、着地するのにいいんです。」
なるほど、ラジコン飛行機愛好家には最適のところなのである。

 車に戻り、林道を天座まで下る。府道63号線を東へ走ると道沿いに青面金剛像
が立っている。なかなかユーモラスな石仏である。
 府道63号線をさらに東へ走ると、天ヶ峰の東麓、橋谷集落である。橋谷へは向か
わず、176号線へ戻って家路につく。

 

行った日 07 6/10(日)
行った人 たぬき一人
山行タイム 林道P8:45〜赤石ヶ岳9:40−10:10〜千丈ヶ嶽11:45
ー12:45〜林道P14:00
2.5万図 大江山  山行地図
たぬきほーむへ  山歩きへ