三重嶽再び (三重嶽から近江坂へ)
滋賀県 高島市


 五日前に歩いたばかりの三重嶽へ向かっている。303号線を走り、滋賀県へ入ったら
すぐに天増川という標識に従って北へ曲がる。橋を渡らないといけないのだが、それが
わからず、近くの民家のおばあさんに天増川への道を尋ねる。
「釣りか?」
「いえ、山登りです。」
天増川へ向かう人の多くは釣りが目的のようである。

 教えてもらったとおり、橋を渡り細い林道を北へ向かう。道沿いにはシャガの白い花が
我々を歓迎してくれているようだ。

 天増川は川の名前であるが、国道から5分ほど入ったところにある集落の名前でもあ
る。一番奥の家には猟犬が数匹飼ってあり、ちょうど朝ご飯をもらっているところだった。

 民家の切れたところにロープが張ってあり、区長に許可を得てから林道へ入れというよ
うなことが書いてある。最奥のお家に断りを入れ、ロープをはずして林道へ進入する。

巡視路を登っていく

 林道には起点からの距離がところどころに書いてあり、どんどん奥に入っているのがわ
かる。谷は新緑に彩られ、いい感じ。
 轆轤山登山口の看板があり、登山道が急な斜面を続いている。高圧鉄塔を頭上に見
ながらさらに奥へ進む。運転の父たぬきは細い道に神経を使うようだ。
 少し広いところには人の生活の跡が残り、田畑でもあったのか、石垣が積まれている。
「こんな奥の方にまで・・・・。」

 林道を5kmほど走ると、鉄塔巡視路の標識と三重嶽登山口の標識がある。準備をして
急な斜面を登り始める。

 すぐにブナが現れ、急登ながらいい雰囲気である。このところ風邪気味だったが、ゆっく
りとしたペースで登っていくといつの間にか体調もよくなっているから不思議だ。

 
三十三間山から轆轤山への稜線を眺める

 鉄塔に出ると、三十三間山から南へ延びる尾根が指呼の間。ぴょこんと出たピークが
轆轤山だろう。あちらの尾根もいつか歩きたいね。

 もう一機の鉄塔まで歩き、尾根にとりつく。登山道からはずれているようだが、少し歩
けば登山道に合流する。

もう少しで稜線に出る 南に武奈ヶ嶽

 尾根が緩やかになったところでひと休み。足下にかたくりの葉が出てくると稜線が近い。
切りひらかれた道は見たことがあるなあ、と思いながら登っていくと、三重嶽から武奈ヶ嶽
への稜線に出る。(水谷1.6km 三重嶽2km)
 ここからは五日前に歩いた道を逆に辿る。
「同じ道でも、反対から歩くと印象がちがうなあ。」

 日陰にはかたくりがまだ咲いている。
「まだ咲いていてくれたんやねぇ。」

 振り返ると武奈ヶ嶽。前回も同じところで同じ写真を撮っている。(^^)

 
山頂

 池から三重嶽までは、広い尾根を東へ歩く。地形図には現れない小さなアップダウンが
あり、ブナやリョウブの林の中を歩いていくと、近江坂への分岐、そして三重嶽山頂である。
今日は誰もいない山頂で少しだけ休憩し、来た道をもどって近江坂分岐から近江坂をめざ
す。
近江坂へ向かう

 三重嶽から北へ歩く。近江坂へは3.4kmとある。近江坂は三方町と今津を結ぶ古道で
大御影山から大日岳へ続く尾根の道である。三重嶽から水谷までと同じくらいの距離だが、
近江坂の方が遠いように感じる。

草原を歩く

 分岐からブナの中をしばらく歩くと、パッと視界が開け、草原に出る。今は枯れているが
そのうち草が芽吹くのだろう。
西に三十三間山

 鞍部からは西に三十三間山が顔を出している。
 東西に伸びた短い尾根に登り返すと、大御影山がずいぶん近くに見えるようになって
きた。
大御影山(右)とこれから歩く山々

 段ヶ峰移動局がCQを出されていたので応答し、しばらくお話しする。昨年のGWにも交信
しているので一年ぶりである。
 これから歩く尾根と大御影山を眺めながら北へ歩いていく。

登山道に咲く

 P943付近からはカタクリの花がところどころに残り、目と心を楽しませてくれる。少し平坦
なところには、小さな池があり、動物たちの水飲み場となっているのだろう。
 日陰にはトクワカソウの花も咲いている。いいなあ。

 P887のあたりでは芦生杉になりはじめの杉がある。
 トクワカソウを写していると、近江坂方面から単独男性。マキノから入り今津へ下りられる
そうだ。私の質問に、立ち止まらずに答え足早に通り過ぎて行かれた。今日初めて出会う
人だったが、後にも先にもこの日出会ったのがこの男性だけだった。

 P887から下り、P889へ登りかえす。破線の道が南北にあるので、南への道をさがして見
たが見あたらない。廃道になっているのか、それとも見つけることができなかったのか・・・。
もっさんのレポートによると、林道からの巡視路を使ってP889に続く尾根に登る道があるよ
うなので、見落としたのかもしれない。

ブナの道

 P889あたりも根曲がりのブナが多く、その一本一本の形のおもしろさは芸術品にさえ
思える。アップダウンのない尾根を北へ歩くと見覚えのある看板。近江坂に出たのであ
る。

 ちょうどお昼時、無線をワッチしながらお昼ご飯を食べる。後山のIXWさんを呼んでいる
と、MXFさんをコールするIXWさんの声。あまりにクリアに聞こえるのでこちらから呼んで
見るが全く応答がない。もしかして・・、と思いいつもの周波数へ移るとお二人で交信中。
三木の自宅におられるMXFさんの声は届かないが、舟木山のIXWさんの電波は強力
に入感している。ブレイクを入れてお互いの山の情報を交換する。
近江坂のブナの巨木

 交信を終え、近江坂を大日岳方面へ歩く。昨秋歩いたブナの森も芽吹き、秋とは趣がちが
う。新緑もいいなあ。
 近江坂の主ともいうべきブナの巨木にあいさつをし、さらにブナの森を歩く。
いつ歩いてもいいなあ

 P784付近から、能登郷へ下る道が西へ下りている。巡視路を下りるようで、ここを下りよ
うかとも思ったが、電波塔跡まで歩こう、ということになり、長い林道歩きを覚悟の上で大日
岳へ向かう。

 
清々しいブナの新緑 鉄塔へ
 P784付近は元気なブナが多く、三重嶽とちがってまっすぐに伸びたブナである。

 P784を北へ歩くと二基の鉄塔に出る。東に大御影山の向こうに赤坂山や三国岳が並ん
でいる。あちらはたくさんの登山者でにぎわっていることだろう。
大日岳 三方五湖が望める

 二つ目の鉄塔からすぐに大日岳、そして新庄への分岐である。昨秋は新庄へ下りたが、
今日は三十三間山方面へ向かう。よく歩かれた道で、途中からは三方五湖も望める。

 
電波塔跡へ 電波塔跡

 ブナも残る静かな道を歩いていくと、大日岳から15分ほどで電波塔跡に出る。広場の
真ん中に高いアンテナが一本立っている。何のためのアンテナなんだろう?
 天増川沿いの林道はここまで上がって来ているので、車で近くまで来ることができる
だろう。

 
電波塔跡から南へ すぐに林道に出る

 電波塔跡から尾根を南へ歩いて林道に出る。ここから延々と林道歩きが始まる。
 道沿いには二輪草が咲き、左の広い谷にも咲いている。この広い谷は南北に長く、
何かの跡かと思わせるほどだ。
ここからP784へ はしごを登るとP889への道

 花をさがしたり、山の緑を眺めたりしながら、林道を南へ歩く。火の用心マークとともに
「大御影山5km 三重嶽6.1km」の標識が金属製の橋を指している。ここがP784へ
の登山口である。付近には二輪草が一面に咲いている。沢沿いにはバイケイソウの葉
らしきものも多い。

 さらに歩いていくと、金属製のはしごがかかり、「889へ尾根道」と書かれたテープが
巻いてある。巡視路を使ってP889へ登ることができるようである。
新緑を映す滝 石垣の残る天増川

 三十三間山から東へ延びる尾根が天増川に突き出ているあたりには小さな滝があり、
新緑が映える。P889から南へ伸びる破線の道がこの谷へ下りているようだが、林道か
ら見る限りではそのような道は見あたらない。

 駐車地に近い平坦なところには石垣が残り、人の生活の跡を伺わせる。木の堰堤を過
ぎると車を置いた水谷登山口である。一時間以上の林道歩きもようやく終了。軽くストレ
ッチをして、車に乗り込む。

 2回続けて訪ねた三重嶽は魅力的な山であった。黄葉の頃に再訪したい。

行った日 07 5/4(金)
行った人 たぬき二人
山行タイム 天増川(水谷)8:25〜稜線合流9:30〜三重嶽10:20ー10:40〜
近江坂合流12:20ー12:50〜大日岳13:25〜電波塔跡13:40
〜林道13:50〜水谷15:10
2.5万図 熊川   山行地図

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