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2年前、梨木峠から千原峠へ歩こうとやまあそさんと予定しながら、時間がなく予定
を変更したことがある。このコースは中央分水界で、コースの中ほどに烏帽子山という
山がある。
明日はこのコースを歩こうと思っていると、やまあそさんも全く同じことを考えていたよ
うで同行することになった。
いつもの桜公園で集合。はじめは梨木峠〜千原峠の予定だったが、榎峠〜梨木峠
がまだ未踏なのでそこも歩きたいということで、千原峠から榎峠までを歩くこととなる。
しかし、用意した地図は梨木峠から榎峠までの途中でとぎれている。
「梨木峠まで歩いたら、あとは何とかわかるやろ。」と榎峠まで歩くことに・・・。 |
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| 千原峠へ |
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たぬき車を榎峠近くの鳥居前に置き、やまあそ車で千原峠近くの遠阪トンネル入り口付
近へ移動する。春日和田山道路ができてから、遠阪の景観は一変してしまった。遠阪トン
ネル入り口付近に車を置き千原峠へ向かう。遠阪川はコンクリートの護岸になり、たくさん
のゴミが落ちている。付近の民家から捨てられたのか、生活ゴミが目立つ。昔のゴミは腐
るものばかりだったが、現在のゴミはプラスチックやポリエチレン袋ばかり。
千原峠へ歩いていると近くの民家で仕事をする初老の男性がこちらを見ている。千原峠
へ向かうむきを告げると、柵を開けたらきちんと閉めるようにと注意を受ける。前回はなか
った柵を開け、入った後はもとのように針金で固定しておく。その間、先ほどのおじさんが
じっとこちらを凝視し、扉を閉めるのをしっかり見届けてから家の中へ入って行かれた。
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谷を埋めるミツマタ |
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千原峠への峠道は広く林道のよう。ふと見上げると谷を埋め尽くすミツマタの花。開花
には少し早いがもう少しで満開である。暗い植林の中が一年に一回、このときだけ華や
ぐ。
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| 青垣側の石仏 |
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千原峠のトンネル |
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峠に着くと、お地蔵様が迎えてくれる。
「屋根が新しくなってるみたい。」というと、「たぬきさんが壊したやん。」とやまあそさん。
「そうやったかなぁ?」
あまり記憶にないが、壊れやすい祠だったことを思い出した。
峠には手堀のトンネルがあり、中に入ると以前よりも地面が整地してある。その分、高さ
が低くなったようにも思えるが・・・。
「上を通ればいいのに、わざわざなんでトンネルなんか掘ったんかなぁ。」
歩くだけなら上を通ればいいが、荷車などを通そうと思えば、こんなトンネルが必要だった
のだろう。
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| 福知山側の道標石仏 |
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やまあそカメラマン |
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トンネルとくぐると夜久野町(今は福知山市)である。峠からは千原方面と末へ、道は二
手に分かれている。数年前にやまあそさんに連れられて歩いた道である。
お地蔵様が2体あり、右 ぬかたかや 左 すえ かずか(やまあそさん談)と書いてあ
る。末は、亡き祖母の生まれたところ。祖母もこの峠を越えて生家を訪ねたのだろうか。
千原峠からは中央分水界である。峠から尾根を東へ歩く。夜久野側は植林が伐採され
北に展望が開けている。三岳山、伏見山などが意外と近くに見える。
ミツマタは尾根や北斜面にもたくさんあり、花のない山に渋い彩りを添える。派手ではな
く珍しくもないので人にじっくり見られることはないが、今日はやまあそさんが一眼レフで
写しているので、少し恥ずかしそう。
P355付近には木の枝に「徒登行山岳会」の赤い布がぶら下がっている。この布は大岩
山や美女山、そして五大山にもあったもので、中央分水嶺を縦走しておられるようだ。
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鉄塔から粟鹿峰を眺める |
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概ね夜久野側は植林、青垣側は自然林の尾根で、ときどき倒木などがあるものの
比較的歩きやすい尾根である。
P513手前の急登を登りきると巡視路で、少し南へ歩くと鉄塔71に出る。
雪のない粟鹿峰がひときわ高い。大箕山が丸く、その向こうの岩屋山からは早や
パラグライダーが飛び立っている。
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鉄塔71から白い山々を望む |
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場所を変えると、遠阪峠の向こうに白い山が見える。双眼鏡で覗くと、鉢伏山のよ
うだ。ゲレンデが白い帯のように見えるが、滑れるだけの雪があるのだろうか。昨年
のこの時期は粟鹿峰は真っ白だったが。
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| 鉄塔73 |
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鉄塔から北の展望 |
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鉄塔71でひと休みしたあと、分水界尾根に戻り再び東へ歩く。P513を越え、しばらく行
くと、尾根の南側にネットが張られている。引っかからないように慎重に歩く。下りた鞍部が
鉄塔73である。
鉄塔からは北と南の展望が開け、北には弥仙山や青葉山が霞んでいる。南には大箕山、
安全山、水山。天気が下り坂という予報だが、まだ青空が広がっている。
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| 開花間近のクロモジ |
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キブシ |
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鉄塔からしばらく歩くと、巡視路は北と南へ下り、尾根の道が悪くなるのでは?と案じた
が、それほど歩きにくいこともなく、歩行が捗る。
クロモジのつぼみがふくらみはじめ、キブシは花穂を垂らしてもうすぐ咲きそうな気配。
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烏帽子山(477ピークから) |
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おなかが空いてきたのでP477あたりで昼食にしよう、ということに。477まで来ると東
に烏帽子山が近づいてきた。しかし、風が強いのでもう少し風のないところへ移動するこ
とに・・・。
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ダンコウバイ |
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477から下った鞍部で昼食タイムにする。葉っぱの絨毯の上でお湯を沸かす。先日
阿蘇で山火事になったところなので、コンロの火には要注意。頭上にはダンコウバイ
の黄色い花が今まさに開こうとしている。
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| オカリナコンサート |
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かわいい看板 |
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ご飯を食べ、コーヒーが終わると、やまあそさんがオカリナを取り出しミニコンサート。
オカリナの透き通った音色が木々の間を通り抜けていく。山にはオカリナがよく似合
うなぁ。
オカリナの余韻に浸りながら烏帽子山へ向けて出発する。
小さなピークを過ぎると、福知山からの登山道が合流している。そこには手作りの道
標があり、烏帽子山へ導いている。福知山側の小学生が作ったものだろう。
「こういう看板はいいねえ。」とやまあそさん。
ここからは登山道なので広くて歩きやすい。
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烏帽子山の西尾根 |
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| 烏帽子山への道 |
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烏帽子山山頂 |
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高速道路のような広い道をしばらく歩き、曲輪跡を登ると烏帽子山山頂(512.3m)
である。細長い山頂で、コンクリートの句碑がある。その前に無惨に壊れた三角点、
よくみないとただの石に見える。
烏帽子山は山垣城主足立氏の遠見番所であったが、天正年間荻野直正の持城と
なったという。福知山側には“郭跡”があり、馬かくしというところがあるらしい。
烏帽子山には次のようなかなしい伝説が残されている。
天正の兵乱でどこかの城の姫君が供も連れず、風の音におびえながらそぼ降る雨
の中を天田郡談の法用谷まで落ちのびてきた。民家に立ち寄ることのせず、辻堂で
雨宿りをしていたとき、数人の追っ手に首を打たれてしまった。哀れに思った村人が
烏帽子山に姫荒神社を建てた。
法用は福知山側の集落である。山頂には神社はなく、戦乱の痕跡もない。植林がな
ければ、福知山側の展望がよく、見張りをするには好適地だったにちがいない。
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| 堀切 |
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迷いやすいところ |
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山頂は長く、2ヶ所ある堀切が城跡の名残であろう。堀切の上に倒れた木の上をやまあ
そさんが楽しそうに歩いていく。
烏帽子山から梨木峠へ向かう。急な尾根を下ったところが要注意ポイント。やまあそさん
は、小牧からここへ歩いてきたそうだが、反対に下るときは地形的にちょっと難しい。猪の
ヌタ場のある広い谷を少し歩き、尾根に乗る。
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ヒュウガミズキ |
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| やせ尾根を歩く |
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ザレ場 |
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尾根は南東に向き、細いがいい道が続く。梨木峠から烏帽子山へ歩く人もあり、よく
歩かれているようだ。ところどころにトラテープが行く手を示す。黄色い花が・・・、とよく
見ると、ヒュウガミズキが風に揺れている。春の山は黄色の花が多いね。
P375付近まで来ると、何かの採掘跡なのか尾根はザレ場となっている。珪石でも
採掘していたのだろう、と話ながら、足下に注意して下っていく。正面には、五台山、
吼子尾山、高砂峰。天気は下り坂なのか、遠くの山が霞んできた。
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| 梨木峠 |
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梨木峠の道標 |
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烏帽子山から1時間あまりで梨木峠に降り立つ。石の道標があるので、とやまあそさ
んの後についていくと、左 ふくちやま 右 ほうよう と彫られた石碑がある。この峠か
ら二つの方向へ下れたのだろうか。
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| 梨木峠から榎峠へ |
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榎峠到着 |
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さて、いよいよ榎峠へ向かって出発。地図が途中までしかないのでちょっと不安であ
る。植林のなかを尾根をはずさないように歩いていく。390ピークまでは地図があるの
だが、その先はテープを頼りにしたり勘で歩いていく。尾根は南から東へ向きを変え、
榎峠が近いことを感じさせる。
トラテープのあるピークまで来たとき、東へは急な斜面になっていて尾根は北へ向い
ているのでそのまま尾根を歩いていく。しかし道路は歩いている尾根と平行しているよ
うに思えるので、途中で東の尾根を歩く。やまあそさんはそのまま歩いていき、二手に
分かれる。
我々はすぐに道路(国道429号線)に出ることができたが、そこは福知山側。峠より
も福知山寄りに下りてしまったようだ。やまあそさんはもっと福知山寄りに下りている
はず。しばらく待っていると戻ってきたので一緒に峠へ歩く。
「やっぱり地図がないとあかんね。」
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| 榎峠から旧道を下る |
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車まで戻ってきました (正面は大箕山) |
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榎峠からは旧道を歩いて下りる。吼子尾山から榎峠へ歩いたとき、ここを下っている。
棚田の跡が残る道を下っていくと林道に出る。鹿柵の扉を開けてすぐのところが車を置い
たところだった。
風は冷たかったが、山は春。思いも寄らない春の花に出会えたうれしい一日でした。
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