|
数日前、麻呂子親王にまつわる話を聞き、大江山を訪ねたくなった。大江山には麻呂子親王
が退治をした鬼が住んでいた鬼の岩屋がある。まだ歩いたことのない与謝野町温江(あつえ)
から鬼の岩屋をめざすことにする。
このところ父たぬきは仕事が忙しい。一人で福知山を抜け、176号線を走る。与謝野町は、
今年3月に、加悦町、野田川町、岩滝町の3町が合併した新しい町だ。江笠山と赤石山に挟
まれた道を北へ。「温江」への看板がある信号で右折し、東へ向かう。
庭仕事の男性に地図を見せ、奥手からの道があるかどうかを尋ねると、明瞭だが草で覆われ
ているとのこと。熊もでるかもしれないので鈴をならした方がいいとアドバイスをいただく。
鳥居マークの神社に車を置かせてもらえるというので、教えられた通り進むと鳥居があり、木
々に囲まれた一段高いところに大虫神社があった。駐車場に車を置き、奥手から登ることにす
る。
大虫神社には、戦勝祈願のために親王自らが彫った神像が納められていたそうだ。また、鬼
討伐の際、鏡をつけた白い犬が神のお使いとしてやってきて、その鏡の光で隠れていた鬼が
照らし出され、鬼たちは鏡の力で身動きできなくなり討伐されたという。その鏡も合祀されてい
たそうだが、神像も鏡も火災で焼失したそうだ。
|
|
|
|
|
|
 |
|
 |
| 大虫神社 |
|
この道を入る |
|
|
大虫神社を出発し、奥手へ向かう。集落のいちばん奧から破線の道が尾根へ延びている。
最奥の畑で仕事中の男性に、道を尋ねると、道ははっきりしているので、このまま歩いていけ
ばよいとのこと。しかし、草がかなり茂っているとか・・・。今月中に地域の人たちが草刈りをさ
れるそうだ。ちょっと来るのが早すぎたかな? 少々の草藪なら平気なので、お礼を言って山
へ入る。
|
|
|
|
|
|
 |
|
 |
| 細見家墓地跡 |
|
はじめはいい道 |
|
|
はじめはリヤカーが通れるほどの広い道で、草も伸びていない。「細見家墓地跡」という
標柱の平坦地を見ながらさらに歩く。
道は徐々に細くなるが、草もなく、歩きやすい。
しかし、巡視路マークを過ぎると草が伸び、笹の道になってきた。ズボンの裾にはダニ
が這っていたので慌ててスパッツを付ける。
|
|
|
|
|
|
 |
|
 |
| 途中から笹の道 |
|
縦走路に出る |
|
|
破線の道はピークを巻くようについているので、思ったよりアップダウンが少ない。
P313あたりで突然林道に出る。しばらく未舗装の林道を歩く。日が照ると蒸し暑い。
林道は山腹を巻いて尾根からはずれていくようなので、「金屋財産区」という看板のと
ころから林道を離れ再び山の道を歩く。P557の手前まで来ると、東に大笠山と展望台
が見えるようになってきた。
ほとんど笹藪の道ばかりで、ところによっては背丈ほどのところもある。暑さと笹藪で
いつもよりしんどさを感じる。と、一輪だけササユリが咲き、ここまでの疲れも吹き飛ば
してくれた。
道の傾斜が緩み歩きやすくなってくると、縦走路も近い。奥手から1時間半で縦走路
に出る。道標には温江へ4kmとある。今日の4kmはくたびれる4kmだった。(^^;
|
|
|
|
|
|
 |
|
 |
| 池ヶ成公園への分岐 |
|
オカトラノオ |
|
|
大山連山の縦走路はこれまでの道と比べると4車線のハイウエイ。藪もなく歩きやすい。
すぐに避難小屋のある池ヶ成への分岐。帰りはここを下りる予定だ。
避難小屋のそばにはオカトラノオの白い花がしっぽを振っている。「はや、こんな季節なの
か。」 花が咲いているのを見て気づくなんて、最近、季節の移ろいに少し鈍感になっていた
ようだ。
|
|
|
|
|
|
 |
|
 |
| 縦走路は気持ちのいい道 |
|
温江からの尾根(向こう側) |
|
|
しばらくは平坦な道を歩く。この道はいつ来ても気持ちがいい。
平坦な道は長く続かず、鬼の岩屋への登りとなる。暑いためか、睡眠不足のためか、いつ
ものように足が上がらない。水分を補給し、ゆっくりゆっくり歩く。
ようやく鬼の岩屋へ到着。周りにはオオバギボウシが咲き始め、ササユリも咲き残ってい
る。振り返ると、鍋塚や千丈ヶ嶽が並んでいる。昨秋登った江笠山がその向こうに霞み、江
笠山から大江山連山を見たことを思い出す。
|
|
|
|
|
|
 |
|
 |
| 鍋塚・鳩ヶ峰・千丈ヶ嶽と右に霞む江笠山 |
|
オオバギボウシが咲き始める |
|
|
展望台へ行き、歩いてきた尾根を眺める。温江が眼下に見え、加悦の谷が蒸し暑そうに
靄っている。
展望台の上は日陰はないが、風が通るので涼しい。汗をかいた体には心地よい。ちょうど
昼時なのでここでお昼にする。
お腹に何かを入れると、たちまち元気になってきた。しんどかったのはお腹が空いていた
からかな?(^^)
双眼鏡で鍋塚の方を見てみると、山頂からこちらへ下りてくる二つの人影。かなり速いス
ピードで歩いている。
|
|
|
|
|
|
 |
|
 |
| ササユリが癒してくれる |
|
大笠山から北を望む |
|
|
無線でコールしてみるが、どことも繋がらない。準備をして管制塔へ向かう。ところどころに
元気なササユリが咲いている。オオバギボウシもこれから満開になるだろう。すっかり元気
になった心と身体は快調に登っていく。(^^)
岩屋から10分ほどで管制塔のあるピークに着く。このピークは千丈ヶ嶽、鳩ヶ峰、鍋塚に
続くピークで、大笠山とよばれている。温江でこの山名を尋ねたが、大笠山とは言わず、「展
望台」とよばれているようだ。温江から仰ぐと近すぎて笠のようには見えないので、大笠山と
いうのは、もう少し離れたところからの呼び名ではないだろうか。
山頂から北を望むと宮津湾が霞んでいる。管制塔まで足を伸ばしてみる。前回来たときに
はここで無線の移動運用をしておられたが、今日はだれもおられない。
|
|
|
|
|
|
 |
|
 |
| 管制塔 |
|
池ヶ成公園 |
|
|
もう一度宮津湾を眺めてから来た道を戻る。鬼の岩屋で鍋塚から下りていた二人連れに出会
う。父娘連れで、お子さんはまだ小学生くらいか。家から歩き総合運動公園から登り、池ヶ成か
ら自宅まで歩いて帰られるとか。この暑いときになかなかの健脚である。またそれについてくる
子どもさんも凄い!
小屋のある分岐から池ヶ成方面へ下る。広い道はおもしろみがない。10分ほどで公園に到
着。公園から破線の道を下りるつもりだったが、草藪をかき分ける気力がなく、軟弱だが舗装路
を下りることにする。
公園ではキャンプをする家族連れが数組。山の会の下山を待つマイクロバスがエンジンをかけ
ている。
|
|
|
|
|
|
 |
|
 |
| 舗装路沿いには冷たい水が湧き出る |
|
与謝野礼厳碑 |
|
|
車道は地形図通りにカーブしながら下っていく。なるべく日陰を選んで歩く。道沿いには、
きれいな水が湧き出ていて、手ですくって口に入れると冷たくておいしい。何カ所かそうい
うところがあり、その度に手ですくってみる。
途中に「すんがはらの滝」と書かれた味のある看板があったので少しだけ入ってみる。し
かし、まだ奥の方のようなので今回はパスし、次回のお楽しみとした。この滝は、平成15
年に発見された幻の滝、看板から20分ほどのところにあるそうだ。
温江の集落に下り、大虫神社に戻る。朝よりもかなり気温が上がり、ムシムシする。山
の装備を解き車で下りると、鳥居のそばに「礼厳碑」がある。来たときに気になっていたの
で車を停めて案内板を読むと、与謝野礼厳の碑である。礼厳はここ温江の生まれで本名
は細見姓だそうだ。また礼厳の四男は歌人の鉄幹である。与謝郡出身というので与謝野
を名乗ったと言うことである。細見家墓地跡の細見家というのは、礼厳の生まれた細見家
なのだろうか。
すぐ近くのの「リフレかやの里」で汗を流し、そば工房くりでおいしいおそばをいただいて
帰る。
このコースはまた秋に歩いてみたいな。
|
|
|
|
|
|
|
|
|