丹波新聞 1999年(平成11年) 8月1日(日曜日)

「総合学習」研修盛ん 来年度試行に 夏休み、先生も勉強 
 教科書を使わず、各学校で工夫を凝らす勉強「総合的な学習の時間」(以下「総合学習」と略)が来年度から試行されるのを受けて、丹波地方の小、中学校の教職員は夏休みを利用して研修やプランづくりに励んでいる。氷上郡、篠山市の両教育委員会でも研修会を開催するなど、各学校をバックアップ。ただ、現場の教職員からは「先生の力量が間われる」「時間割の組み方が難しい」と、総合学習に対するとまどいの声も間かれる。
 山南町の久下小は、十六日に大学助教授を招いた校内研修を予定。来年度からの試行に、同校では各学期に十時間程度の総合学習を計画し、高学年では環境に目を向けたテーマを設定するつもりにしているが、校内研修でその進め万について指導を受けるという。
 篠山市の今田小でも二日に大学助教授を迎え、校内研修を行う。十月には、視聴覚機器を使った総合学習の研究発表会を開くことにしており、その原稿づくりなどが夏休み中の教職員の〃宿題〃だという。
 同市内の八上小では、今年十月下旬に「総合学習の実践週間」を設ける予定で、今月二十四目に開く校内研修までに一週間分のカリキュラムを作成することが課題になっているそうだ。
 由良川水系にある小学校と、川についての情報をインターネットなどを通して交換する活動「川ねっと」に取り組んでいる春日町の大路小。「川ねっと」は総合学習の一つの試みとして注目されており、五日、大阪市内で催される全国規模の発表会でその実績を報告する。「質疑応答もあるでしょうから、より良きものをめざす参考にしたい」と同校。
 篠山市の中学校では、二十三日に開く市内の全中学校教職員が参加する総会で、各学校の総合学習の取り組みを発表するという。氷上郡中学校長会長の木村寿彦春日中校長は「各学校で、総合学習を含めた新しい教育謀程についての委員会をつくって研究している」と話しており、中学校でも着々と準備を進めているようだ。ただ、その一方では、教科書はもちろん指導書もない学習だけに「最後は先生の個性に負うところが大きい。それだけの能力があれぱいいが・・・という声がちらほら。
 このほか「学校がリードし過ぎると子供の意欲をそぐ。かといって、好き勝手にさせれば目標が達成できないし、そのバランスをどう取るか」「いろいろな学習テーマがあると、多数の教員がかかわることになり、時間割りの編成が難しい」という声も出ており、総合学習の理念をどう生かすか、暗中模索のようだ。

      給合的な学習の時間

 自ら学ぴ、考える力を育てることなどがねらい。国が示した一律の教育内容ではなく、地域性などを生かし、各学校の創意工夫で授業を進めていく。
 子ども自らが学習テーマを決めるケースもある。二○○二年度から完全実施の予定。小学校では三年生以上から週当たり三時間程度、中学校では二〜四時間程度の時間数になる。


 だまし絵の美。氷上町立植野記念美術館で開催されているエッシヤー展を見た。幾何学模様に鳥や馬などをもといることによって、面自みを増す。タイトルの「ふしぎな幻想飛行展」が館内に広がる。
▼「絵を見ると疲れます」という一言葉が間こえる。親子でこの絵にはどこにトリックがあるのか話し合う光景も見られる。絵は静かに鑑賞するものであるが、思わず言葉が出てしまう。
▼「この仕事を五十年以上も続けてきましたが、この不思議で恐ろしい世界のものほど、私に楽しいものはないようです。人間にとってこれ以上望むものはあるでしようか」とエッシヤーは言っている。
▼また、「人は子どもの心を持っているが、それがなくなってしまった時、輝きを失ってしまう」といった言葉を発している。エツシヤーは常に子どもの心を大切にし、自分の作品の中に表現しているのかも知れない。
▼「からくりの絵の展示はやっていますか」と美術館に間い合わぜがあり、職員もびっくりするような話もある。日本人にはだまし絵よりもからくりの方がピンとくるのだろうか。とはいっても、のぞきからくりを知るのは年配の人。「今回は比較的若い層に人気があるようです」と。
▼世の中、だましたり、だまされたりと物騒な話題に事欠かない。しかし、ここでだまされるのは心地よい。日常生活にくたぴれる事の多い日々。違った疲れで心を癒すのも一考かも。夏休みに家族でどうぞ。展示は八月二十九日まで。(M)

  トウキの入浴材
 
 山南町薬草組合が生産・販売しているトウキの葉を乾燥させた入浴材が、「皮ふ病に効果があった」といった反響を呼び、申し込みや間い合わせが殺到。品簿状態が続いている。
 単純に、もっと生産量をどんどん増やせぱ、とも思うが、事情は複雑だ。トウキは、もともと根の部分が生薬として用いられる。入浴材は、いらなくなった葉の有効利用を考えた生産者のアイデア商晶。葉の生産を増やせば、肝心の根の部分は過剰生産になり、農家の所得にはつながらない。
 相手は農作物。時間がかかり、天候にも影響される。農家が丹精込めて種をまき、育て、葉を摘み取るところに、「薬草のまち」ならではの良さも秘めている。
 一方で、販売している薬草薬樹公園には、皮膚病で苦しむ人たちの悲壮な声が届いている。「かゆみで寝れなかった子が、〃3時間も〃寝れるようになった」「アトビーがひどい息子が、ふさぎ込みがちで外出したがらない」−。今や現代病となったアトビー性皮ふ炎などがいかに深刻な状況にあるかを映し出している。
 両者の思いは、それぞれ深刻だが、山南町にとっては大きなチャンスでもある。皮ふ病に悩む人の笑顔が一人でも多く見られる対策を期待したい。そうすれば、「漢方の里」という看板も、新しくなる薬草薬樹公園も活きてくる。(育田)

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