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父たぬきは大峰山へ恒例の行者参り。さてどこかへ、と考えて思いついたのが大江山である。
宮津にお住まいのムクさんから花情報をお寄せいただき、それなら、と行ってみる。
今回は普甲峠から大笠山への管理道路を走り、航空管制塔のそばに車を置く。ほとんど山頂
なので、風が涼しい。
オカトラノオが白い尾を風に揺らしている。大笠山頂上から日本海が見えるはずだが、今日は
霞んでいて見えない。もちろん丹後半島の山々は霞みの向こう。
階段の道を下りているとヒラヒラとアサギマダラがやってくる。停まるのを待って写真を写そうと
思ったが、林の奥の小枝にとまりそのあとはどこかへ飛んで行った。あんな飛び方でよく海を渡
れるものだといつも感心する。
鬼の岩屋は夏草に覆われ、ギボウシの葉っぱが隠されている。まわりにもっとあったと思うの
だが以前よりも少なくなったようだ。
展望台は帰りに寄ることにして先を急ぐ。
林の中は陽ざしがさえぎられ涼しい。登山道わきに土アケビが伸びている。面白い植物だな
あ。
池ヶ成公園からの道、さらに温江からの道を過ぎ、いよいよ鍋塚への登りである。階段の続く
道には花もなく、ただひたすら登るのみ。
これくらいの登りはどうってことないのだが、暑い時にはしんどさ倍増。暑いなあ、と思いながら
ふと顔をあげると、かわいい蕾が「こんにちは。」とあいさつをしてくれる。暑さもしんどさも吹き飛
んでいった。
頂上に近づくと、先客がお二人。あいさつをして景色を眺めようとすると、ベンチに座っている
女性から、
「たぬきさん?」
「はっ?」と振り向くと、向山に来ていただいたムクさんがニコニコとこちらを向いておられる。まさ
かお会いできるとは・・・。お話ししていると、南から男性3人が登って来られる。ムクさんとお友だ
ちを見送り、先に北の大笠山方面へ歩いて行かれた3人組のあとを追って山頂を後にする。
温江への分岐で3人組を追い抜き、鬼の岩屋の展望所で一休みをしていると、3人組も到着。
福井から来られたそうで、鬼嶽稲荷からピストンをされるそうだ。
大笠山に戻ると少し展望がよくなっている。それでも丹後の山々はまだ霞みの向こうである。
車に戻り、山の装備を解いて、来た道を下りていく。梅雨明けを思わせる空から、雷鳴が聞こえ
てきた。
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